手漉き和紙ができるまで

楮の刈り取り

毎年、年が明けると楮の刈り取り作業です。左手で楮を折り取るように押さえながら、生え際に鎌をななめに浅く入れて切り取ります。

押し切り

刈り取った楮は丁寧に枝打ちをした後、釜に入れるため、「押し切り」を使い一定の長さ(4尺=120㎝)に切りそろえます。

釜入れ

大きな釜に切りそろえた楮の束を入れ、上からトタンの蓋をかぶせ、さらにその上に毛布をかけて、約2時間蒸します。

蒸し上がった楮が冷めないうちに黒皮を取ります。元を手でひねるようにして剥ぎ取ります。和紙の原料となるのは、黒皮と楮の芯(カジガラ)の間にある靭皮繊維を呼ばれる部分です。

黒皮の乾燥

剥いだ楮の黒皮を束ねて、軒下で乾燥させます。

白皮づくり

乾燥した黒皮を一晩水につけ柔らかくしてから、包丁で黒皮と甘皮を削り取って白皮だけにします。

白皮の完成

水で洗い、軒下で乾燥させます。

煮熟

保存していた白皮を一昼夜流水に浸けて柔らかくし、アルカリ液(ソーダ灰)で約2時間炊いた後、釜から取り出します煮熟によって、靭皮を固めているにかわ質などが溶出します。

ちりより

水の中に楮を広げて、台風などで擦れてできた傷や芽、変色した部分などを、手作業で丁寧に取り除きます。

叩解

ちりよりが終わった楮は、まだ繊維が束になって固まっているため、カシやケヤキの打ち棒でたたいて、繊維をばらばらにします。
ビーダーと呼ばれる叩解機を使う場合もあります。

紙漉き

打解した楮と水、ネリ(トロロアオイなど)という粘液を漉き舟の中で拡拌し、簾桁(すけた)を使って紙を漉きます。ネリの働きにより、楮の繊維は水中にまんべんなく広がり、沈みにくくなるため、簾の上で繊維同士をしっかりと絡める事ができます。
漉かれた紙は、紙床(しと)に次々と重ねられていきますが、ネリがよく効いているので、後で1枚ずつはがすことができます。

圧搾

紙床を板ではさみ、ジャッキで除所に水を絞ります。

乾燥

圧搾された紙を1枚ずつはがし、刷毛で三角柱の乾燥機に貼り付けて乾燥させます。
以前は、松の干し板に貼り、天日で乾燥させていました。